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遺留分の放棄

親から相続した遺産に関して相談を受けたり,事件処理することがしばしばあります。


遺言(特に公正証書で作成された遺言)がある場合には,そのようなものがないケースに比べ,争点・問題点は少なくなります。
それでもなお残りうる問題が,「遺留分」です。



仮に,ある相続人に対して全遺産を相続させるという内容の遺言があったとしても,他の法定相続人には,法定相続分の半分(遺留分)の限度で相続を主張する権利(遺留分減殺請求権)があります。

 遺留分を行使されれば,遺言を書いた方の遺志がその分損なわれるので,遺言作成者の悩みの種の一つです。

 この悩みに対する対策の一つとして,遺留分の放棄という制度があります。遺留分は,相続開始前(=遺言作成者の生前)であっても放棄することが可能であり,放棄した場合には,その相続人は遺留分減殺請求権を行使できません。したがって,遺言作成者としては,推定相続人にお願いし,遺留分を放棄してもらえば,放棄してもらえた分だけ遺言の効果を保全することができることになります。

 ただし,推定相続人が遺言作成者から,遺留分を放棄するよう強要されるなどの圧力をかけられる可能性もあるため,相続開始前の遺留分放棄には,家庭裁判所の許可が必要とされています。

親が,「この子には相続させたくないから」との思いで遺留分放棄をお願いしても,なかなか素直に応じてくれません。そうではなく,「あの子にたくさん相続させる必要があるから」との思いで遺留分放棄を説得していくことが肝要です。


                           2015/5/7 Kesamaru

親子のこころ

平成27年1月1日からの相続税の基礎控除の縮小や
終活ブームの影響もあるのでしょうか、
相続や遺言のご相談を受ける機会が増えたように思います。

もともと、
扱う相談のなかでも相続や遺言の比率が高いのですが、
それを通じて、つくづく思うことがあります。
「親の心、子知らず。」
「子の心、親知らず。」

事業承継の場合もそうですが、財産承継の最大のテーマの一つは、
「親子の思いをどうつなげるか。」のような気がします。
親子だから「分かっているはず」と考えるのは禁物です。
他人であれば、仕方のないと思えることでも、
親子だとそうはいかないこともあるでしょう。
兄弟姉妹、それぞれ親への思いも違います。

我が家のやんちゃ坊主達が喧嘩しているのを見ると、
たまに心配になります。
「いつまでも仲良くやってくれよ。」
そう思うのは職業病でしょうか。

                           2014/10/27 sato