インターネットでの
法律的な情報の検索・調査について
インターネットの普及により,法曹や法務にかかわる人間でなくても,
Googleなどの検索エンジンを利用して法律的な情報を調査・取得できます。
法律相談にお越しになる方も,ご自身でインターネットを利用して
ある程度の予備情報をご用意していただいていることが多くなりました。
弁護士にとっても,法律相談での対応がいくぶん楽になった面もあります。
しかし,
ご自身でのインターネットでの調査で済ませることには、
以下のようなリスクがあります。
まず,
インターネットの情報は玉石混交であり,
正解もあれば,間違いもあります。
そして,どれが正しくてどれが正しくないのかを判断するに当たって
リスクが生じます。
次に,
インターネットの情報自体に誤りはなかったとしても,
現に生じている事件・トラブルには,
どの法律・条文・判例の適用が問題となるのか,
この判断をするに当たってリスクが生じます。
また,
事件・トラブルに適用される法律・条文・判例を発見できたとしても,
その法律・条文・判例の解釈の仕方によっては,
自分にとって有利な結果を導けるのかそうではなく
不利な結果となってしまうのかが異なることが往々にしてございます。
たとえば,
民法95条に
「意思表示は,法律行為の要素に錯誤があったときは,無効とする。」
との条文があります。
ある勘違いをして投資商品を購入してしまった人が,
後になって勘違いに気づき,その購入を取り消して
お金を取り戻したい,と思ったときに,
勘違いの対象が「法律行為の要素」に当たるかどうかというのは,
法曹でも容易に判断することができないこともあり,
大変難しい問題です。
そして,以上の問題をクリアできたとしても,いざ裁判となった場合に,
ご自身の主張を裏付ける証拠が脆弱で,
裁判官によって事実認定される可能性がなければ,意味がありません。
どのような証拠が自らの主張にとって有利か不利か,
裁判官によって事実認定される可能性があるのかないのか,
このあたりの判断ともなると,
法曹にとっても頭を悩ませることが多々あります。
それを,法曹でない方が自己判断し,その判断に基づいた行動をとるのは,リスクを増幅させる要因といわざるを得ません。
少しでも不安を感じたら,まず電話でも良いので,
弁護士会や私どもの事務所に法律相談すべきことなのかどうかも含めて
お問い合わせいただくことをお勧めいたします。
なお,東京弁護士会のテレホンガイドの電話番号は,
03-5367-5290
です。
2014/11/28 Kesamaru